Breast Cancer Fighting Illness

ある日届いた健康診断結果の封を開けた瞬間、乳がんと向き合う日々は始まりました

手術当日

2022.4.8
手術当日である。
日付は変わってしまったけど、記録のために当日のことを書いておこうと思います。
今はだいぶ回復し、パソコンも問題なく打てるぐらいに回復しました。

手術当日の朝、前の日にだいぶ早く寝たためとても早く目が覚めた。
大部屋なのでゴソゴソするのも憚られので、サロン室に行って朝日を眺める。

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とても良い天気。朝日が暑いくらいだった。

今日は朝から絶食、飲み物のダメ。
何もすることがないのでブラブラとして部屋に戻る。
手術は昼からと聞いているのでまだ時間がたくさんある。
10時ぐらいに点滴が入ると聞いてたので、それまでは自由だ。
Twitterをしたり、持ってきた本を読むことにした。
”あちらにいる鬼”という井上荒野さんの本
瀬戸内寂聴さんと井上光晴をモチーフにした本らしい。
こういうドロドロとした本は手術前には向かないなと思いつつ半分ぐらいを一気に呼んでしまった。

本を読んでいると、看護師さんが熱と血圧を測りにきたり執刀医がやってきたりなにかと人の出入りがある。
執刀医はマジックで術野のマーキングをしにきた。
念入りにマーキングをして”では昼から”と帰っていった。
ここまでくるといよいよだなと感じる。

今日の手術には高校生の娘が立ち会うことになった。
主治医との話では特に立ち会いなくても大丈夫だとの話だったので考えていなかったが、入院した時に立ち会いはどうしますか?と。
急に言われても…息子が娘になるが、息子はあまり立ち会いたくない様子。
娘は立ち会う気満々。
未成年だけどよいか?と聞いてみると主治医からもOKがでた。
コロナのせいで1名しか立ち会えないので仕方がない。
学校の始業式の後、急いでくれば12時までには間に合いそうだ。
手術に入る前に娘に会えるのは心強いしなによりうれしい。

前の日に下剤を飲んだが効果がなく、10時頃に浣腸することになった。
その時に部屋を個室に移動すると説明があった。
よかった。大部屋だと何かを気を使うが、個室なら少しゆっくりできる。
娘が手術で待機するのにも個室が良いだろう。
浣腸の後、おなかゴロゴロしながら広げた荷物を片付ける。
すぐに出すものはエコバックに入れまくってすぐに移動ができるように片づけた。
浣腸の効果で便はある程度出たが、なんだかまだ出きってないような気がする。
でもまあそれも仕方ないな。
看護師さんには一応そう伝えた。

10時30分
点滴を入れに来る。
長ーい針を刺しているようで…これが非常に苦手。
ずれないようにがっちりと固定して完了。
食事をしていないため、ブドウ糖液が落とされていた。
点滴を撮った後すぐに部屋の移動になった。
海側の個室、部屋の中にトイレも洗面所もあり快適そう。
なによりも景観がすばらしい。
海辺のリゾートホテルといった感じである。
コロナじゃなければ子供達も自由に部屋にはいれるのになぁ。

個室に入り、あまりすることなくぼんやりしていると
12時前に娘がやってきた。
病院までは親しくしているママ友が送ってくれたらしい。
何かあったら…と今回の手術のことを唯一話しているママ友である。
本当にありがたい。
点滴している私をみて
『ママ、弱っているね』と娘。
パジャマに点滴だし…見た目にだいぶ弱ってるわな。
手術前だし、薬を入れているわけでもないから元気なんだけどな。

12時45分
術衣に着替え(術衣の下はパンツだけになる)
弾性ストッキングを履き、すぐにストレッチャーへ。
ストレッチャーに乗った後、肩にアトロピン注射。
麻酔前投薬である。
まだ意識はしっかりしているが、目がなんとなくぼんやりする。
抗コリン作用だな、瞳孔が開いているのかもしれない。
『ママ、眠たい?』と聞かれる。
目がぼんやりしているからそういう風に見えるのだろうな。

12時55分
ストレッチャーで手術室まで移動する。
娘も一緒に手術室前まで同行。
あぁいよいよなんだなとぼんやり思う。
手術室前で娘と別れる。
『昼ごはん食べなさいよ』と娘に声かける。
こんな時でも出てくる言葉は母親なんだな。

ゴロゴロと手術室に入る。
昨日病室に来られたオペ室に看護師さんが顔を出す。
ここでオペ室に引き継がれる。
名前を生年月日、手術部位の確認を行い、手術同意書の確認も行う。
麻酔科の先生も顔出してくる。
そのまま手術室へ。
手術台へはストレッチャーから自力でスライドして乗る。
手術台は温かかった。体温がさがらないようにだ。
心電図モニター、血圧計等をあわただしくつけていかれる。
その間に主治医と執刀医がかわるがわるに顔を出し『がんばりましょうね』と。

麻酔科の先生から
『薬剤師と聞いてますよ。希望の麻酔とかありますか?』
といわれ、驚いた。
『以前受けもった薬剤師の方はいろいろと希望を言われてきてね~。応じれるものは応じますよ』とのこと。
いやいや…そんな余裕はないわ。
『お任せします』と。
酸素マスクをつけられ、ゆっくり息をするように指示。
『眠くなる薬(薬名を言われたが覚えていなかった)いれますね』
と言われ、数秒も経たずに意識を失う。

意識が戻った時、ぼんやりとしてあまり覚えていない。
『無事に終わりましたよ。悪いところは全部取りました。リンパも取りました。あとは検査後に考えましょうね』
と主治医に言われたのを覚えている。
バタバタとあわただしくいろんなものがつけられているのはわかったが、
今詳細を思い出そうとしても思い出せない。
のどがひどく痛むのと、導尿部が気持ち悪いと感じた。
あとは…とにかく寒い。
ガタガタと歯がなるくらい寒さを感じている。
もちろん毛布を掛けられているのだが…寒いのがとまらない。
息子の出産後に感じた寒さと同じ寒さだ。

ストレッチャーにて病室に戻る。
戻った時の時間は4時だった。
予定通り3時間である。
娘も病室に入ってくる。
私の姿をみてホッとしたような、心配そうな顔をした。
執刀医の先生から無事に終わりましたと説明をうけたらしい。
『イケメン先生たっだね』と話していた。

まだ麻酔から醒めていないせいか、あまり記憶がない。
ぼんやりしながらも娘を言葉を交わしていた。
途中吐き気を催したが、
”そういえば胃の中には何にも入ってないんだから吐いても無駄だな”と思い、
吐き気がすることを伝えるのはやめた。
実際に吐きもしなかった。
電気毛布と毛布を掛けてくれていたがそれでも寒い、ガタガタ震える。
モニターの異常はなから大丈夫なんだろうとぼんやり思った。
とにかく寝れば治るかな?とも。

娘は5時ぐらいまで病室にいて、帰っていった。
その際に私の家族のLINEに手術が無事に終わったことを書いてくれと頼んだ。
とてもじゃないが打てる余裕はなかった。
枕元に携帯を置いてもらい、娘は帰っていった。
しばらく眠ろうと思った。

ここまでが手術までの流れです。
ちょっと長くなってしまったので…
続きはまた後で。